セラピストなら知っておきたい腸活のこと(腸とココロとカラダ)
近年になって次々と解明された腸のこと。実は「第2の脳」とも言われる、様々な体への働きを見ていきましょう!
1、知っていますよね?腸の働き
食べたものは十二指腸に送られるまでの間に、様々な消化液と混ぜられて吸収可能な状態になり、小腸での消化ののち栄養分の吸収が行われます。栄養素は絨毛(腸壁にあるにょろにょろ)内の血管から肝臓へ送られます。
またその残りカスは大腸で、腸内細菌による食物繊維の発酵や一部栄養分の吸収、水分吸収のコントロールを行うことで便になります。
消化液と混ぜられた食物は何と1日に約9リットル(!!?)にもなり、そのうちの7リットル(!!!)は小腸で吸収され、残り2リットルが大腸で処理されているのです。
2、知っていました?腸のこんなこと
腸には脳に次ぐ多さの神経細胞が存在しており、腸のコントロールは脳がすべて行っているのではなく、その一部は腸が自ら判断を下す機能があることが分かってきています。
このことから腸は「第二の脳」とも呼ばれているんですね。
腸の神経は、他の神経を通じて脳とつながっています。その神経は腸の働きを活発にする副交感神経の機能を持っています。また逆に腸の働きを抑える交感神経は、脊髄の中枢神経とつながってもいるのです。このように腸と中枢神経は深くかかわっているため、「脳腸相関」とよばれる神経のネットワークが存在し、腸内の状態の情報が脳へ伝わるようになっています。このことが、腸がカラダのあらゆる部位に影響を及ぼすと言われる根拠になっているのですね。
さて私たちの腸内環境を左右するもの。それは「腸内細菌」です。近年、よく聞きますよね。その数は約100兆個!腸壁の粘膜にびっしり生息しており、まるでお花畑(フローラ)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれていて、その総重量は何と1.5㎏にもなるのです。「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種に分類される様々な細菌はバランスの取れた割合で存在し正常に機能を続けているのです。
また、前向きさや幸福感と深くかかり「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの約9割は腸管で作られているのです。セロトニンは興奮物質の暴走を抑える効果もあるので心の平穏には欠かせないものなのです。このことからも腸内の状態が、カラダだけではなくココロにまで影響しているということが良く分かると思います。
3、健康な腸を目指す4大食品
ではどんなものを食べれば腸内環境に良いとされているのか、その食品を学びましょう。
発酵食品
ヨーグルト、味噌や納豆といった発酵食品は腸の動きを活発にさせます。善玉菌のエサになるだけではなく、悪玉菌の増加を防ぐ効果も確認されています。
水溶性食物繊維
海藻、ゴボウ、もち麦、ブロッコリーなどは腸内環境のバランスを整えます。また分解される際に生成される短鎖脂肪酸は脂肪燃焼効果も確認され近年ではとても注目されているのです。
オリゴ糖
バナナやはちみつなどに多く含まれます。悪玉菌のエサになりにくいという特徴があるので、効率よく善玉菌だけを増やす効果があるのです。
EPA DHA
青魚や鮭、亜麻仁油などに含まれるこれらのものは体の炎症を抑えることで善玉菌の増えやすい環境作りに役立っています。
これらのものを意識的に摂取し、健康な腸内環境を目指しましょう。
※但しこれらの食物が腸にとって良いということや好き嫌いということとは別に、体質的に苦手という方もいらっしゃいますので、そのような方は摂りすぎに注意してください。
4、おすすめ腸活アクション
- バランスの良い食生活
- 過度なストレスは溜めない
- 適度な運動を心がける
- 睡眠をしっかりとる
カラダの不調だけではなく、ココロの不調にも影響することがある腸内環境。以上のことを心掛け、正常な状態の下、身も心も健康に過ごしましょう。